現在利用されている画像認識AI

代表取締役CEO 木村 優志

Published: 10/9/2021, 3:55:05 PM

eye catch

画像認識 AI の適用分野

現在の AI 技術の中でも、最も広く適用されているのは画像認識です。しかし、画像認識と言われても、何に使えるものなのかわかりにくいかもしれません。 今回は、画像認識 AI の利用分野を紹介します。

以下の表は AI 白書 2020 に掲載されている、AI の利用分野です。製造業や農業、医療、流通まで幅広い分野で活用されて始めていることがわかります。今回はそのうちいくつかを紹介します。

分野 ユースケース 概要
製造業 品質検査 不良品判定
産業ロボットへの搭載 把持対象の認識など
自動車産業 走行環境の理解 自動運転・ADAS
農業 生産支援 作づけ・生育状況・収穫量などを支援
自動選別 不要な作物を除去
自動収穫 自動で収穫
医療・介護 画像診断 病変・病巣を発見
介護ロボット 介護支援ロボット
防犯・防災 防犯 不審物・不審人物・不審行動を検知
防災 河川や土石流などの状況を監視・異常検知
エネルギー 異常検知 電力プラントなどの異常を検知
物流 ピッキングロボット ロボットによる自動ピッキング
バーコードなしの検品 画像認識による検品
流通 店舗マーケティング 来店者の人数・属性を分析
棚割りの管理 小売店の陳列商品の種類うや数を判別
混雑・空席状況の管理 繁閑状況を認識し、来店者のスマホへ通知
精算・チェックアウト 商品と来店者の顔認識による決済
真贋判定 高級ブランドの真贋判定
エンターテイメント 映像制作支援 アニメやゲーム制作の支援
カラー写真の自動生成 モノクロ写真からカラー写真への自動変換
スポーツ 戦術分析 選手のプレーを解析し、戦術に利用
スマートライフ 見守り、防犯 高齢者・子供・ペットのみも森カメラ
そのほか AI-OCR 様々なレイアウトの文字を認識

出展:AI 白書 2020 より(一部表現を変更)

製造業における画像認識 AI

製造業での画像認識 AI の主役は、なんと行っても不良品検知でしょう。製造ラインの製品をカメラで撮影することで、自動で検品を行います。こには、異常画像検知という AI 技術が使われています。正常な製品の画像をたくさん学習させておくことで、それとは異なる製品が来たときに、異常であると検知します。たとえば、ネジが一本ない、傷がある、などの検査を行うことができます。

MVTech MVTech 異常画像検知データセットの例

把持対象の認識は、ロボットアームなどに利用されるものです。

農業における画像認識 AI

農業においては、自動収穫がホットなトピックかもしれません。

以下は、スマートロボティクス社の自動収穫ロボットの動画です。

また、農作物の精算自体を自動で行おうという研究も行われています。次のリンクは MIT Media Lab の Food Serverです。土壌の状態などの生育環境を自動で管理し、どこでも美味しい野菜を作ることができます。

防犯における画像認識 AI

気づいていないかもしれませんが、防犯 AI は確実に広がっています。防犯カメラの市場規模は急拡大しています。次の動画は東芝の人物の追跡を行う研究です。カメラが変わっても同一の人物を自動で追いかけることができます。

流通における画像認識 AI

次の動画はスーパーマーケットチェーン、トライアルの棚割りの分析 AI です。人物の動線などを分析し、棚割りの改善を行います。

スポーツにおける画像認識 AI

スポーツの戦術分析などにも AI は利用されています。次の動画は、Pixellot 社の AI カメラのロズウェル高校での活用の例です。

まとめ

今回は、画像認識 AI の利用状況についてまとめました。AI の利用は確実に広がっています。 他の技術についても、今後、まとめようと思います。


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