医療画像診断AIフレームワークMONAI

木村 優志

Published: 6/25/2025, 2:14:00 AM

eye catch

医療検査でX線CTや、MRIを撮った方もいるでしょう。通常、そういった医療画像は病理医が診て検査します。これをAIの画像検査で代替する試みが始まっています。

代表的なシステムが、NVIDIAのMONAI (Medical Open Network for Artificial Intelligence)です。MONAIはオープンソースで開発されています。MONAIは以下の3つのツールから成っています。AI学習のための正解データをつける MONAI Label, AI 学習を行う MONAI Core, MONAI Core で学習したモデルを運用するための MONAI Deploy です。

私も、お客様の案件を手伝う中で、MONAIを利用したことがあります。主に、MONAI Coreを扱いました。データはお客様提供のもので、DICOM形式でした。MONAIで扱うデータ形式は、nii.gz という形式なので、変換が必要でした。CTやMRIなどの画像は3次元画像ですので、MONAI で取り扱うモデルも 3次元モデルです。3D CNN をベースとしたモデルとなります。MONAIには、最新のモデルが実装されており、現在、Vista3Dや、Swin-UNETRなどが実装されています。どちらも、狭い領域と広い領域の情報を効率よく表現できるモデルです。また、有用なデータ拡張も豊富に実装されているため、学習データが少なくても高精度な認識が可能です。

CTやMRIというと国内では、富士フィルムが有名ですが、GPUメーカーというイメージの強いNVIDIAがこのような有用なツールをオープンソースで提供していることは驚くべきことです。NVIDIAがソフトウェアにも力を入れ、GPUの応用分野を広げていこうとしていることが伺えます。


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