2019年8月10日から2019年8月16日までマカオで開催された、IJCAI2019 に聴講参加してきました。私が参加したのは 13〜15の3日間です。
IJCAIは伝統のあるAIの国際会議で International Joint Conference on Artificial Intelligence の略です。


マカオということで、会場のホテルにはカジノが併設されていました。私は何もやりませんでしたけれど。

採択論文数と全体の傾向

アクセプトされた論文数は850本、採択率は 17.8%でした。開催地ということもありますが、そのうち、中国からの論文が38%をしめています。EU、USAと続きます。日本からの論文は18本だけでした。
私は、おもに、自然言語処理のセッションに参加していました。全体として、今回は、BERTの応用が多い印象でした。また、GCN (Graph Convolutional Neural Netowrks)もちらほら見かけましあ。他に、今回は AI for improvement Human Well-being という、AI for ヘルスケアの特別セッションがありました。ヘルスケアAIは盛りあがっていくでしょうね。
興味深かった論文
個人的に興味深かった論文を紹介していきます。
Shen Wang et.al, Heterogeneous Graph Matching Networks for Unknown Malware Detection
Graph Neural Encoderで未知のマルウェアを検出する研究。


Shuai Zhang et.al, Quaternion Collaborative Filtering for Recommendation
4元数をもちいた協調フィルタリング QCF。

Donghun Lee et.al, Truly Batch Apprenticeship Learning with Deep Successor Features
https://www.ijcai.org/proceedings/2019/0819.pdf
逆強化学習で集中治療室(ICU)の患者の管理等を行う研究。


Xing Wu et.al, Mask and Infill: Applying Masked Language Model to Sentiment Transfer
マスク言語モデルのマスクを埋める単語を操作してセンチメントアナリシスを行う研究。


招待講演とXAI
招待講演はXAI (explainable AI: 説明可能なAI)をターゲットにしたものが面白かったです。
ディープニューラルネットワークの弱点と有効性を分析して、ディープニューラルネットワーク以外のディープラーニングアーキテクチャを探索している研究が印象的でした。
全体の感想
全体としては、中国勢の人材の厚みを感じました。質で言えば日本にも太刀打ちできる学生はいると思います。しかし、その数は圧倒的に中国のほうが多いです。AI分野での日本はとてもおくれています。
会議全体としては、自分のテーマを追っている比較的高齢の研究者の発表が興味深かったです。私もそう有りたいものです。
IJCAIの参加報告でした。